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弥生の茶事(雛の茶事)(1)

月1回通っている茶事実習会の備忘録。
人をもてなすとはどういうことか、和食とは何か、を学ぶために通っています。

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3月、弥生は雛の茶事。
雛まつりは終わってしまったけれど、桃の節句にあわせて。

節句の時は本来ならお弁当スタイルに詰める点心に仕立てたいところですが、今日は懐石に。
ただし、お料理は全て、点心として提供することもできるようなものになっている。
もちろん、雛を意識した手の込んだものが多い。

茶事講習会では、参加者それぞれ、亭主、客、水屋(裏方)を担当する。
これまでずっと、客役をさせて頂いていた。
半年が過ぎて、茶室の中での流れが見えてきたので、今回は水屋を担当させてもらうことにする。

汁はひちぎりの白味噌仕立て、吸い口は水芥子。

汁は、まだ寒いので、白味噌7の桜味噌3。
白味噌は塩分が少ないから、出汁の2割くらいまで入れられる。
桜味噌は塩分が多いから、出汁の1割くらいまで入れられる。
そんなおおよその数字を頭に入れておくことで、味噌の量を自分で計算することができる。
毎回説明されるので、私もだんだん覚えてきた。
汁はかならず一度漉して、沸騰直前まで温めておくことが大事。

ひちぎりは、桃の節句の代表的な和菓子だけれど、今回はお菓子ではなくお料理に。
餅を引きちぎったような形に整える。
手間をかけずに、どんどん続けて増やしていくことができることから、子孫繁栄の意味があるという。
最初は蓬餅、汁がえでは、桜塩漬けを練り込んだ桜花餅で。
上新粉だけだと固くなるので、白玉粉を2割ほどまぜるのがいい。
水の量は、粉の状態や湿度によって変わるから、やはり耳たぶぐらいの感触と覚えるのがいい。
蓬は出始めのものをさっと茹で、すり鉢で当たる。
桜花の塩漬けは塩抜きをして。
ひちぎりの成形は、最初が大事。冷えて固まってからでは難しい。
本来ならば餡をのせるところに、里芋、人参、空豆、三色のあられをのせる。

ご飯。
いつもは客役だったからけれど、はじめて準備を見る。
茶事ではご飯は三度でる。
一度目は、まだ蒸れていないご飯。最も香り高いが、水っぽい。
これは、あなたのために、今まさに炊き上げましたというメッセージ。
つまり、もし蒸れてしまっていたら、すでに炊きあがっていたものを出したことになる。
だから、どのタイミングで釜に点火するかが大事。
水は米の1.4倍で多め。強火で10分。吹いてから8分程度。
釜のふちからひとすくい採って、一文字状の山型によそう。

(2)に続く。