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食文化のミクスチュア

前から気になっていたレストラン”Salmon&Trout(サーモンアンドトラウト)”。
もともと、適当な外食ってしないのだけれど、5月は一度もレストランに行っていないことに気付いて、ついにタイミングが来たか、と食いしん坊の友人を誘った。

知り合いに見られたら、あいつもついにイカレたか、と思われるくらい盛大にニヤニヤしながら、お店に向かう。
もうここから、楽しさは始まってる。
シェフのInstagramは、少し前から見ていて、メキシコに行ってきたのは知っていたのだけど、料理の写真などはなるべく見ないようにしていた。だから何がでてくるのか、わからない。
数ヶ月前に行った星付きレストランを予約した時に、コースどころか料理まで決めて欲しいと言われて、楽しみを奪われたような気分になったこと思いだす。

お店はコンクリートと古木のラフでコンパクトな空間に、6人がけカウンターとテーブル2つ。
ワインペアリングもお願いして、早速スターターがでる。

このギミックのあるスターターについては、前に何かで読んだことがあって、食べる前に仕掛けを思い出してしまった。残念。
やっぱり、こういうのはちゃんとびっくりしたいものだなと思った。

未来の誰かの楽しみを奪いたくないから、料理について細かくは書かない。ポイントだけ。

まずは、他国の食文化と自国の食材の掛け合わせのセンスが良い。
今回はフィッシュアンドチップスを日本らしい魚でつくる。もちろん、ペアリングはビール!

そして、数ヶ月に一度海外を旅して、その直後はその国の食文化がメニューに反映されるから、きっとシェフもお客さんも飽きずに楽しい。
今回はメキシコ。料理としてはトスターダ、タコス、モーレ(唐辛子を中心としたソース)使ったものがそれ。でも、もちろんそのまま再現ではない。

最後に、いろいろな食文化を取り入れているんだけど、シェフに和食のベースがあるから、味としてとっちらからない。
今回それを感じたのは白身魚のスープ。ピリ辛のモーレに、外来種の魚という組み合わせなんだけど、まるで懐石の椀物のような品があるのは、スープの奥にある昆布だしのせい。

料理の完成度はもちろん違うけれど、方向性として私が目指しているものと限りなく重なっていて、なんだかひそかに勇気づけられた。また、シェフがどこかへ旅してきたら、食べにいこう。

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個人的な発見は、山梨の鹿がやっぱり北海道のものとは全然違っていたこと。
里山の風景と原生林の風景を思い起こす。
生き物はみな、それが食べたものでできている。

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あと、食器も良かったな。
料理という景色の土台となるような、地面のような食器。
白い皿至上主義だったけれど、改めて考えてみようかな、という気になった。